TOK考え中

IB(国際バカロレア)DPのコア科目TOK(知の理論)。一体これは何なのか?どう教えるか?考え中です。

授業の雰囲気作り・構成について

ホンケホンモトのTOK授業については、ケンケンガクガク の議論をしたり、エッセイやプレゼンテーションの練習をしたり…という漠然としたイメージを持っている。

しかし、当方は40人での授業という状況がある。さらに、学校文化的に生徒が取っていいとされている授業中の態度の幅が狭い。(=おとなしく聞くべし、というアティチュードに生徒がイイ感じに支配されている。)

漠然とした問いをポンと投げて、生徒からの発言を拾って議論を深めて行くという雰囲気を作りにくい。

そこで、ごくごく具体的な問いを構成し、それについて話し合ったりプリントに記入する方法に、いつの間にか落ち着いた。

ライティング課題に使えそうな問い、本から抜粋

本の「Extended writing task」および「Prescribed essay topics」から。

  • 2つ以上のWOKに照らして、迷信と土着の知識の違いを説明しよう。
  • WOKとしての「理性」の、長所と短所を評価しよう。
  • 理性と感情は道徳的判断を行う際にひとしく必要だろうか?
  • 人生や人間性を学ぶなら、科学よりも小説のほうが適している。この主張にどれくらい賛同できる?
  • 疑うことは新しい知識を導く このことわざは、2つのAOKにおいてどれくらい正しいか
  • 「何が正しくて、何が間違っているかははっきり別れてはいない」この言質について論じよ。
  • 歴史についての説明と、科学的な説明には、どんな共通点、どんな違いがあるか。
  • 歴史学者の知識は、特定のWOKに、どの程度まで頼っているだろうか。
  • 歴史的知識は、科学的知識により近いだろうか、それとも文学的知識により近いだろうか。
  • 数学ともう一つの教科において、証明の重要性とはどのようなものだろうか。

ライティング課題の目的

生徒にきちんと伝えよう。

“「思考力」を高めるため、ライティング課題を行うよ。「思考力」は、具体的に言うと「批判的思考力」だよ。批判的思考力は、使う道具であり、めざすものは「深い分析」だよ。”どうだろうか。

4番目のクラスでは、「深い分析を行うために、それに適した問いを作ることが重要」と説明した。問いを作らせてみたが、うまくいかなかった。=良い問いを作れなかった。トレーニングしてないんだから、当たり前か。

教師がもともと準備してあった問いの中から選ぶ方式でもいいことにしようか。

5月5日 ライティング課題の構想

潜伏キリシタン世界文化遺産への登録を期に、

宗教について考えさせられないだろうか。
「現在無視されている宗教は、どの程度保護されるべきだろうか」
「偏見を持たれたり無視されたりするのはなぜだろうか。価値が変わるのはなぜだろうか。」

みたいな問いではどうだろうか。

 

評価について
実社会での事例をあげるようにすると、
“評価できる”(=差がつけられる)ようにすることは評価の大きな目的な一つ。

でも

「考え方・ものの見方を身に着けさせる」
「徹底的にクリティカルに考えるトレーニングをする」

ことをさせたい。

「TOKを解読する」読みはじめ

今日から「TOKを解読する」を読みはじめた。

TOKの“K”は、「知」とか「知識」って訳されているせいか、アカデミックで特別なこと、のように昔から感じていた。でも、今は少し視点を変えて「ものを見ること」とか「とらえること」と日本語に置き換えて、読んでみている。